発声における呼吸の基本~腹式呼吸と胸式呼吸~
発声における呼吸の基本には、主に腹式呼吸と胸式呼吸の2つの呼吸法があります。それぞれの特徴とやり方について解説していきます。
- 腹式呼吸:
- 特徴:腹式呼吸は、主に横隔膜を使って行われる呼吸法です。呼吸をする際には、腹部が膨らんで胸がわずかに上がる特徴があります。
- やり方:腹式呼吸を行うには、以下の手順を実践します。
- 快適な姿勢をとります。座っている場合は背筋を伸ばし、立っている場合は両足を肩幅程度に開き、膝を軽く曲げます。
- 口をゆっくり開け、鼻から息を深く吸い込みます。この際、腹部が膨らむように意識し、腹式呼吸を行います。腹部を内側に引き込むことで、横隔膜が下がり、肺が十分に空気で満たされます。
- 息を吐き出すときには、口から息をゆっくりと吹き出します。この際、腹部を内側に引き込むことで、余分な空気を体外に排出します。
- 胸式呼吸:
- 特徴:胸式呼吸は、主に胸部を使って行われる呼吸法です。呼吸をする際には、胸がわずかに膨らむ特徴があります。
- やり方:胸式呼吸を行うには、以下の手順を実践します。
- 快適な姿勢をとります。背筋を伸ばし、肩をリラックスさせます。
- 口をゆっくり開け、胸をわずかに膨らませながら鼻から息を深く吸い込みます。この際、肋骨や胸郭を広げるように意識します。
- 息を吐き出すときには、口から息をゆっくりと吹き出します。この際、胸を内側に引き込むことで、余分な空気を体外に排出します。
腹式呼吸は、声の安定性や力強さを向上させ、声楽やスピーチなどの発声に効果的です。一方、胸式呼吸は日常生活での呼吸に使われることが多く、緊張した状況下での呼吸法としても有効です。どちらの呼吸法も、状況や目的に応じて使い分けることが重要です。