シューベルト:《軍隊行進曲》 Op.51 第1番
管弦楽編曲版でも演奏されることの多い有名曲
全部で4つある行進曲集のうちの『3つの軍隊行進曲』は、シューベルトがピアノ連弾のために作曲した曲集で、第1番が特に有名であり、管弦楽編曲版や吹奏楽編曲版、ピアノ独奏版でもよく演奏されています。
『3つの軍隊行進曲』は、シューベルトがエステルハージ伯爵家の娘の教師を務めていた1818年に作曲され、1826年にアントニオ・ディアベリにより出版されました。
18世紀後半から流行したピアノ連弾のための行進曲で、いずれもファンファーレ風の音形を伴った勇壮な主題に始まり、下属調のトリオを挟んだ3部形式で書かれています。
シューベルトは楽団を雇うほど裕福ではなかったため、ピアノでオーケストラを表現しようとピアノ連弾曲を数多く書き残しました。
ベートーヴェンより27歳年下のシューベルトは、ベートーヴェンが活動の拠点としていたオーストリアのウィーンに生まれ、若い頃からベートーヴェンの活躍を肌で感じ音楽を心から敬愛していました。
ベートーヴェンはこの世を去る前、30歳になるシューベルトを招き入れ、「シューベルトは私の魂を持っている、今に世界にその名を知られる人だ」と言って賞賛しました。