シューベルト:弦楽四重奏曲第13番 イ短調 《ロザムンデ》 D804 第2楽章
存命中に出版された唯一の弦楽四重奏曲
シューベルトの弦楽四重奏曲として今日でもよく知られているものには、この『ロザムンデ』と同時期に作曲された第14番「死と乙女」があります。
弦楽四重奏曲第13番には、当劇音楽《キプロスの女王ロザムンデ》中の、アンダンティーノの間奏曲第3番がその第二楽章に用いられています。
そうした事情によってこの弦楽四重奏曲第13番は、一般に《ロザムンデ》の名で呼ばれるようになりました。
劇《キプロスの女王ロザムンデ》はあまり上等の出来とは言えない内容だったようで、上演されたものの僅か二日で打ち切られてしまいました。
シューベルトが作曲した音楽だけは好評で、今日に至るまで色々な形で聴かれ続け、また間奏曲や序曲などが現在でも盛んに演奏されています。
ソナタ形式による第一楽章、劇からの引用を持つ第二楽章、メヌエットの第三楽章、そしてソナタ形式による第四楽章、この弦楽四重奏曲は伝統的な四つの楽章で構成されています。