弦楽セレナーデ ハ長調 Op.48 第3楽章 エレジー【チャイコフスキー】~音楽作品 名曲と代表曲
言葉にならないような寂しさを表現する名旋律
『弦楽セレナーデ』はハ長調で書かれていますが、五度関係を利用した緩やかなアーチ状の構成を成しています。
第1楽章のハ長調に始まり、第2楽章のト長調、第3楽章のニ長調、第4楽章の序奏が再びト長調、主部でハ長調に戻るという構成になっています。
第3楽章の「エレジー(哀歌)」はニ長調の長調ですが、主題には何とも言えない寂しさが漂っていて、3連符のリズムに乗って様々な声部で淡々とした歌が奏でられていきます。
長調で哀しみを表現するあたりがチャイコフスキー所以たるもので、あえて長調にして奥行きを出すという高度な技法が感じられます。