ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 第1楽章

チェロ協奏曲の域を超えた最高の位置にある作品

元々純朴で田舎好きなドヴォルザークは、次第にアメリカでの生活にストレスを感じるようになり、まだ契約期間は残っていましたが、音楽院を去り故郷のボヘミアへと帰ることになります。

チェロ協奏曲Op.104は、アメリカを去る半年ほど前の1894年11月に着手され、帰国後の翌1895年2月に完成しています。

初演は1896年3月、ロンドンのフィルハーモニー協会の演奏会で、独奏者レオ・スターとドヴォルザークの指揮するフィルハーモニー交響楽団で行われました。

同郷のチェロ奏者ハヌシュ・ヴィハーンからの依頼で作曲し、ヴィハーンはチェコでの初演を担当し、楽曲は彼に献呈されています。

ボヘミアの音楽と黒人霊歌やアメリカン・インディアンの音楽を、見事に融和させた楽曲として名高く、チェロ協奏曲の中で最高の位置にある作品です。

チェロ協奏曲のみならず、協奏曲というジャンルにおける最高傑作の一つであり、チェロ奏者にとって最も重要なレパートリーです。

ドヴォルザークは、24歳(1865年)の時にチェロ協奏曲(イ長調、B.10)に着手していますが、未完のままで放置してしまったため、完成したチェロ協奏曲はこのロ短調1曲だけとなります。

交響曲第9番「新世界より」や弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」と並ぶ、ドヴォルザークの代表作の一つであり、音楽愛好家の一部の間では「ドヴォルザークのコンチェルト(協奏曲)」を短縮した「ドヴォコン」の愛称で親しまれています。

ドヴォルザークが残した協奏曲には、この作品の他にピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲が存在しますが、その認知度には大きな差があるため、「ドヴォコン」の愛称は偏にこのチェロ協奏曲を指します。

ドヴォルザークの尊敬した作曲家ブラームスが、「チェロという楽器でこのように素晴らしい協奏曲が書けると気づいていたら、私もチェロ協奏曲を書いただろう」と言ったほどの名曲です。

ニューヨークのナショナル音楽院の院長に招かれたドヴォルザークは、休暇には帰国していますが、3年間アメリカに滞在して新大陸の音楽に興味を覚えました。

アメリカ・インディアンの精神とボヘミアの民族意識が巧みに融和され、名作という相応しい趣きを「チェロ協奏曲」は兼ね備えています。

独奏チェロの技巧性を際立たせる場面にも富んでおり、低音の金管楽器を巧みに用いることで、シンフォニックで且つ柔らかな充実した響きをもたらすことにも成功しています。

協奏曲としては異例なほどにオーケストラが活躍する楽曲であり、第1楽章はチェロ独奏の登場まで4分近くあるほど伴奏のオーケストラが充実しています。

特に木管楽器のソロは素晴らしく、またホルンが奏でる牧歌的な第2主題の部分は全曲中でも特に印象的なシーンで、協奏曲に求められる大衆性と芸術性を高度に融合させた傑作として評価されています。

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