ヴァシリー・カリンニコフ~ロシア作曲家カリンニコフの作品 代表作と名盤 【Vasily Sergeyevich Kalinnikov】 (1866-1901)
ヴァシーリー・セルゲイェーヴィチ・カリーンニコフ(Vasily Sergeyevich Kalinnikov, 1866年1月13日(ユリウス暦1月1日) - 1901年1月11日(ユリウス暦1900年12月29日))はロシアの作曲家。
カリンニコフは2つの交響曲といくつかの付随音楽、そして多数の歌曲を遺し、いずれの作品もみなロシア民謡の特徴に染め抜かれています。
2つの交響曲の中でも《交響曲 第1番》は、20世紀初頭に頻繁に演奏され、近年カリンニコフの名声は消えかかっていたものの、交響曲は音源で接することが可能です。
2曲の完成された交響曲は、美しい民族的な旋律と色彩的な管弦楽法ゆえに、カリンニコフの代表作であると言っても過言ではありません。
特に第1番は旧ソ連時代から録音・上演の機会が多く、どちらの曲も殆ど病床で作曲されたものですが、生への希望に満ちた明るさが感じられ、おそらく作曲者はこれらの曲を実際に聴くことはなかったはずです。
カリンニコフの作風は、概ねチャイコフスキーに倣って西欧的な楽曲構成法を採っていながらも、旋律や和声法に民謡や民族音楽の影響が自明であるように、国民楽派(「五人組」)からの影響も無視できません。
このように、カリンニコフはモスクワ楽派とペテルブルク楽派のいずれかに与するのではなく、その両方の伝統の美点を折衷した作曲家でありました。