組曲「動物の謝肉祭」より 第7曲 “水族館”【サン=サーンス】~音楽作品 名曲と代表曲
音楽で描かれる動物たちにはアイデアがいっぱい
『動物の謝肉祭』は、親しい友人たちとリラックスして音楽を楽しむために作られたもので、その中にはメンデルスゾーンやロッシーニなど有名な作曲家たちのよく知られている曲や、彼自身の曲がちょっとした皮肉も込めてパロディされています。
とてもウィットとユーモアに富んだ楽しい作品ですが、作曲した時に51歳だったサン=サーンスにとっては、あくまでもごく親しい間柄で楽しむ楽曲で、世間に発表するものではないと考えていたようです。
第7曲の”水族館”は、弦楽合奏の上にピアノがショパン風のアルペジオで水の流れを表し、グロッケン・シュピール(チェレスタ)は飛び跳ねる水しぶきのようで、弦とフルートの柔らかい旋律が泳ぎ回る魚たちを描きます。
楽器の音色を上手く活かしながら、それぞれの動物の特徴が描かれていて、そこはまるで音楽で描く動物園といった風情です。