ビゼー:交響曲 第1番 ハ長調 第3楽章
実に立派な趣きを備える第3楽章のスケルツォ
『交響曲第1番』は初期の習作であったため、ビゼー自身が正式な作品として認めていなかったこともあり、完成から80年間は音楽院の図書室に埋もれていました。
『交響曲第1番』は、当時はオペラ以外の音楽がフランスの音楽界では認められていなかったこともあり、ビゼーの生前には一度も演奏されることはありませんでした。
カミーユ・サン=サーンスらの努力によって、交響曲などの純音楽がフランスでも認められるようになったのは、ビゼーが他界してからのことです。
この作品は1935年になって名指揮者ワインガルトナーが初演したことによって、ようやく日の目を見ることになりました。
第3楽章は実にわかりやすいスケルツォで書かれていて、この楽章はベートーヴェンが交響曲に初めて用いたスケルツォという形を、忠実になぞり再現していることが覗えます。