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ノクターン 第6番 変ニ長調 Op.63

 

 

静かな気品のようなものが感じられるフォーレのノクターン

 

フォーレの夜想曲は生涯に渡り作曲され、全13曲の夜想曲は最初の第1番が1875年頃(30歳頃)に作曲され、最後の第13番がフォーレがこの世を去る3年前の1921年に作曲されていますので、フォーレの創作期のほぼすべてに渡って書かれています。

 

フォーレは古風な節度を重んじた人物で、小さくあることや慎ましいことを最も固守しました。

 

私には何人かの良き友がいます。大衆から無視されようとも、少数の人間が理解してくれれば十分です」とフォーレは言い残しています。

 

フォーレは生涯の時間を費やした音楽に対して、多数のためではなく、少数のための音楽というかけがえのない想いのもとに多くの作品を残しました。

 

そんなフォーレの作品の中で、生涯に渡って書き続けられたジャンルが夜想曲であり、作風の変遷を辿ることができるだけでなく、粒ぞろいの傑作が並んでおり、全13曲の夜想曲すべてがピアノ音楽史上の宝となっています。

 

ノクターン第6番は1894年8月3日に完成し、1894年にアメル社より出版され、ウジェーヌ・デクタル夫人に献呈されました。

 

フォーレが夜想曲第6番の自筆譜に残した日付は9月18日となっていて、この年フォーレはポリニャック夫人ウィナレッタ・シンガー宛てに次のような手紙を書いています。

  • ポリニャック夫人に宛てたフォーレの手紙(1894年)

「お返事を出さなかったのは、すごく憂鬱な気分に悩まされていたからです。そして友人にそのことを伝えようとすると、曲を書く気が全くなくなってしまうのです。(……)私が今ピアノ曲に夢中になっていることを分かっていただけますか……。時をおいてこれらの曲が演奏されるだろうとか、私の歌曲が取り上げられるまでには時間がかかったなどとはお思いにならないで下さい。また、多少とも興味深い新しいピアノ曲も、稀にしか存在しないわけではないのです。」

夜想曲第6番はフォーレの夜想曲の中で最も優れた作品とされ、大きな三部形式の中に瞑想的で清澄な雰囲気と、それに包まれるように置かれた悲壮な趣を持つ感情の高まりとの完璧な調和が実現されています。

 

ピアニストのアルフレッド・コルトーは夜想曲第6番について、「ピアノ音楽の中にこの作品と比肩できるものはわずかしかない…。この夜想曲が持つ情趣は個人的な感情の域を超え、傑作の徴である普遍性に到達している」と述べています。

 

夜想曲第6番はフォーレの傑作として広く認められていて、またフォーレの次男フィリップはこの曲について、「夜を描写しようとしたのではなく、夜の心情を吐露しようとしたのであり、人間と目に見えないものとの密やかな交流を試みたのだ」と述べています。

 

大劇場ではなくサロン文化の世界に生きたショパンの精神を継承しながらも、装飾を控えさらに内省的になった夜の静かな瞑想がフォーレのノクターンに宿っています。

 

 

 
  







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