歌曲集 《3つの歌》から 「夢のあとに」 Op.7-1
他の器楽で演奏されることが多い歌曲の代表曲
『夢のあとに』は、歌曲集『3つの歌』(Op.7)の第1曲で、ヴァイオリンやチェロ向けの編曲が有名な作品です。
歌詞はイタリアのトスカーナ地方に古くから伝わる詩を、フランスの詩人ロマン・ビュッシーヌ(1830-1899)がフランス語に翻訳したものです。
詩の中では、夢で出会った美しい女性と幻想的な世界が描かれ、夢から覚め現実に残された主人公の哀しい叫びが無情にも響き渡り、「夢よもう一度」という悲痛な懇願が描かれています。
フォーレの歌曲中で最も有名な作品で、本来は歌曲ですがチェロやフルートなど様々な編曲で演奏されていて、他の器楽で演奏されることの方が遥かに多い楽曲です。
フォーレは大規模的な管弦楽よりかは、小規模的な歌曲やピアノ曲などの室内楽の作品を得意としていて、歌曲は夜想曲と同様に生涯に渡って作曲が続けられ、100作に及ぶ作品が残されていますが、中でも「夢のあとに」はフォーレを代表する作品として広く知られています。