音楽用語 【コ】
音楽用語 |
---|
交響曲 |
外国語表記 |
〔英:symphony〕 〔独:Symphonie〕 〔仏:symphonie〕 〔伊:sinfonia〕 |
解説 |
管弦楽(オーケストラ)のためのソナタ。17世紀以後、オペラの序曲が急ー緩ー急のイタリア序曲へと発展し、後に多楽章のセレナードや3楽章のシンフォニアが登場しました。これらが、マンハイム楽派のシュターミッツなどによって編成の改革や充実が図られ、ハイドンによって現在の交響曲の形が完成されました。ハイドンはメヌエットを入れて4楽章とし、モーツァルトもこれに習って交響曲を書きました。べートーヴェンは、第2交響曲でメヌエットの代わりにスケルツォを入れ、第3交響曲で規模と内容を非常に大きなものとしました。第9交響曲では合唱を入れ、ロマン派の交響曲へ影響を与えました。ロマン派以後では、ブラームス、チャイコフスキー、マーラーなどが交響曲の作曲家として重要な存在です。→シンフォニー |
音楽用語 |
交響詩 |
外国語表記 |
〔英:symphonic poem〕 〔独:symphoni-sche Dichtung〕 〔仏:poeme symphonique〕 〔伊:poema sinfonico〕 |
解説 |
リストによって確立された管弦楽による表題音楽の1つ。1楽章形式で文学的、絵画的内容を表現するもの。リストの『前奏曲』『マゼッパ』、スメタナの『わが祖国』、リヒャルト・シュトラウスの『英雄の生涯』などが代表的作品。 |
音楽用語 |
行進曲 |
外国語表記 |
〔英:march〕 〔独:Marsch〕 〔仏:marche〕 〔伊:marcia〕 |
解説 |
軍隊や集団を行進させるための音楽。実用的な行進曲と鑑賞用の芸術的な行進曲があります。通常、2拍子で複合3部形式をとり、内容によって軍隊行進曲、結婚行進曲、葬送行進曲、祝典行進曲などがあります。→マーチ、マルチャ。 |
音楽用語 |
小唄 |
読み方 |
〔こうた〕 |
解説 |
幕末に流行した端唄から派生した軽快な歌曲。三味線の伴奏で短い歌詞を歌います。 |
音楽用語 |
こうもり |
外国語表記 |
〔独:Die Fledermaus〕 |
解説 |
1874年初演で全3幕。1874年のオーストリアの温泉地イシェルが舞台で、ベネディクスの喜劇『監獄』をもとにメイヤックとアレヴィがフランス語の3幕の台本に改編し、さらにこのフランス語の台本をハフナーとジュネスがドイツ語の台本に書き直しました。序曲が有名。 |
音楽用語 |
御詠歌 |
読み方 |
〔ごえいか〕 |
解説 |
平安時代から伝わる仏教音楽の一つ。仏教にちなんだ詩に旋律を付けて鉦や鈴を伴奏に歌います。 |
音楽用語 |
胡弓 |
読み方 |
〔こきゅう〕 |
解説 |
日本の伝統的な弦楽器で、三味線を小型化したような形の本体を大きめの弓で擦って演奏します。 |
音楽用語 |
黒人霊歌 |
外国語表記 |
〔英:Negro spirituals〕 |
解説 |
ニグロ・スピリチュアルズ。19世紀にアメリカに奴隷として移住してきた黒人たちが歌った民謡風の宗教歌謡。白人によってもたらされた讃美歌を、黒人たちが自己流に音楽的な処理をしました。 |
音楽用語 |
国民楽派 |
外国語表記 |
〔英:nationalist school〕 |
解説 |
19世紀中頃から20世紀初頭に、西欧音楽の主流を成してきた国々(イタリア・フランス・オーストリア・ドイツ)以外で、次々と民族的一体感に根差した音楽の傾向が興ったことを指します。ロマン派音楽の形態の一つで、ロシア5人組、チェコのスメタナ、ドヴォルジャーク及びヤナーチェク、ノルウェーのグリーグ、フィンランドのシベリウスらが代表的作曲家です。 |
音楽用語 |
ゴシック音楽 |
外国語表記 |
〔英:Gothic music〕 |
解説 |
12世紀中頃から15世紀中頃のロマネスクとルネサンスの間に位置する時期に、西ヨーロッパで栄えた音楽。アルス・アンティクアのノートル・ダム楽派による多声音楽の誕生が典型と言われています。 |
音楽用語 |
ゴスペル・ソング |
外国語表記 |
〔英:gospel song〕 |
解説 |
1920年代アメリカの黒人キリスト教会で作り出された讃美歌。黒人霊歌の流れをくみ、ジャズ風に歌われることが多いです。 |
音楽用語 |
コーダ |
外国語表記 |
〔伊・英・仏:coda〕 |
解説 |
「終結部」ともいい、イタリア語の「尾」に由来します。曲の終わりに付け加えられる終止部分のこと。 |
音楽用語 |
小太鼓(スネアドラム) |
外国語表記 |
〔英:snare drum〕 |
解説 |
→スネアドラム |
音楽用語 |
コダーイシステム |
解説 |
ハンガリーの作曲家コダーイ・ゾルタン(1882~1967)の創案した音楽教育のシステム。自国のあそびうたを基本においたソルフェージュを特徴とし、移動ド唱法を用いています。 |
音楽用語 |
小鼓 |
読み方 |
〔こつづみ〕 |
解説 |
鼓(つづみ)の一種で能楽や長唄の囃子(はやし)に用います。奏者は左手で調べ(ひも)を握って右肩に担ぎ、右手で革面を打って鳴らします。鼓を打つ時には掛け声を出します。 |
音楽用語 |
古典組曲 |
外国語表記 |
〔英・仏・伊:suite〕 |
解説 |
バロック音楽の重要な器楽形式で、いくつかの舞曲を組み合わせたもの。全ての曲は同じ調で統一されます。標準的配列は、アルマンド~クーラント~サラバンド~ジーグで、多くは組曲冒頭にプレリュードをつけ、サラバンド、ジーグの間にガヴォット、ブレー、メヌエットといった舞曲が挿入されます。これらはJ.S.バッハの時代に実際には踊られなくなり、様式化された舞曲となりました。 ◇アルマンド(仏:allemande)・・・フランス語で「ドイツの」の意味。16世紀頃に現れた2拍子系のドイツの舞曲。基本的に古典組曲の最初に置かれ、主に4/4拍子の中庸な速度で短いアウフタクトを持ちます。 ◇クーラント(仏:courante)・・・「走る、流れる」の意味。16世紀のフランスに現れ、17世紀には古典組曲の1つとなった速い3拍子系の舞曲で、17世紀に2つの型に分かれました。イタリア風「コレンテ」は3/4または3/8拍子の速い舞曲であり、フランス風「クラント」は3/2または6/4拍子で、2つの拍子が交互に入れ替わることもある中庸な速さの舞曲です。 ◇サラバンド(英:saraband 仏:sarabande)・・・17,18世紀にヨーロッパで流行した舞曲。3/4拍子または3/2拍子で穏やかで荘重な表情を持ちます。通常は第2拍に軽いアクセント、あるいは長い音符が置かれ、古典組曲の第3舞曲に用いられています。 ◇ジーグ(仏:gigue)・・・「踊る、跳ね回る」の意味。16世紀のイギリスに現れた急速な複合拍子の舞曲で、後にフランス型「フーガ的書法(仏:gigue)」とイタリア型「より速いテンポでフーガ的構成を持たない(伊:giga)」のように異なった様式になりました。組曲では最後に置かれます。 |
音楽用語 |
古典派音楽 |
外国語表記 |
〔独:Klassik〕 |
解説 |
バロック時代とロマン派の間に位置し、18世紀中頃から19世紀初頭に及ぶ音楽活動。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらが代表的作曲家で、特にこの3人を「ウィーン古典派」と呼びます。バロック時代のポリフォニーからホモフォニーへ移行し、形式美が重んじられソナタ形式が確立されました。また交響曲、弦楽四重奏曲などの新しい器楽分野が生まれました。 |
音楽用語 |
琴 |
読み方 |
〔こと、きん〕 |
解説 |
弥生時代から存在していると思われる日本古来の弦楽器で、和琴の原型といわれています。筝との混用を避ける場合、「琴のこと」「筝のこと」と用います。 |
音楽用語 |
ご当地ソング |
読み方 |
〔ごとうちソング〕 |
解説 |
曲名に地名を入れてその土地の名物や文化、風習などを歌詞に盛り込んだり、その土地を舞台にした物語を歌い込んだ歌謡曲や新民謡。 |
音楽用語 |
五度圏 |
外国語表記 |
〔英:circle of fifths〕 |
解説 |
ある音から上または下へ完全五度ずつ移行すると、12の音全てを経由し始めの音に戻ってきます(途中で異名同音の転換を含みます)。これを円形に書き表したもののこと。調号の数や、属調、下属調、平行調の関係が一目で分かるようになっています。 |
音楽用語 |
コード進行 |
外国語表記 |
〔英:chord progression〕 |
解説 |
コード(和音)の連結のこと。各種の和音を効果的に連結し、トニック(Ⅰ)へ解決することを目的とします。 |
音楽用語 |
コード・ネーム |
外国語表記 |
〔英:chord name〕 |
解説 |
和音の構成を記号化して示したもの。英語で表記されます。 |
音楽用語(関連) |
子ども(児童)の権利条約 |
外国語表記 |
〔英:Convention on the Rights of the Child〕 |
解説 |
「児童の権利宣言」(1959年)の精神を踏まえ、全ての子供が持っている全ての権利(人権)について規定し、1989年に国連で採択された条約。子供を一つの人格として捉え、親の責任や虐待の問題、教育、いじめ、差別、障害、難民、麻薬、労働、性的搾取等の様々な事柄について、大人として国や国際社会としてどのように関わっていくべきかを述べられています。日本は1994年3月に世界で158番目に批准しました。 |
音楽用語 |
5人組(ロシア5人組) |
外国語表記 |
〔仏:Les cinq〕 |
解説 |
19世紀後半にロシアの作曲家5人(バラキレフ、リムスキー=コルサコフ、ムソルグスキー、ボロディン、キュイ)が作ったグループ。ロシアの国民主義を唱え、ロシアだけではなくフランスやドイツの近代音楽にも影響を与えました。 |
音楽用語 |
子守歌 |
外国語表記 |
〔英:lullaby〕 〔仏:berceuse〕 |
解説 |
子供を眠らせたり遊ばせたりするために歌われる歌。 ①ララバイ、ベルスーズ。西洋ではシューベルトやブラームスの歌曲(ピアノ伴奏)、ショパンのピアノ曲など、芸術音楽として発展したものもあります。 ②日本では特に雇い子守娘の歌も知られています。この歌は「守子歌」と呼ばれ、詩は子守娘自身が作ったものが多く、借金のかたに奉公に出されたり、人身売買として取引されたりしたことへの恨みを語った不幸を嘆く歌が多いです。 |
音楽用語 |
コーラス |
外国語表記 |
〔英:chorus〕 |
解説 |
①合唱 ②歌の主部。ヴァース(前歌、序奏)に対する言葉。繰り返される場合は、ファースト・コーラス(ワン・コーラス)、セカンド・コーラス(ツー・コーラス)などと呼ばれます。リフレインと同義。 |
音楽用語 |
コラール |
外国語表記 |
〔英:chorale〕 〔独:Choral〕 |
解説 |
ドイツ・プロテスタント教会の讃美歌。単純で歌いやすい旋律を持つ新しい讃美歌として、宗教改革者マルティン・ルターが推進していったものです。コラールにはカトリック聖歌のドイツ語(母国語)訳、宗教的・世俗的民謡などの改変作や新作などがあり、いずれも単純な有節歌曲のものが多いです。 |
音楽用語 |
コーラングレ |
外国語表記 |
〔仏:cor anglais〕 〔英:English horn〕 〔独:Englisch Horn〕 〔伊:cor inglise〕 |
解説 |
ダブル・リードのオーボエ属の木管楽器。オーボエより完全5度低いヘ調の移調楽器で管の長さは約1m。洋梨型の朝顔を持ち、音色はオーボエに比べ少しこもった柔らかな響きを持ち、特に中音域の音色が美しいです。コーラングレのソロとしては、ドヴォルジャーク『交響曲第9番<新世界より>』の第2楽章(家路)が有名。→コール・アングレー、イングリッシュ・ホルン。 |
音楽用語 |
コール・アングレー |
解説 |
→コーラングレ |
音楽用語 |
コルネット |
外国語表記 |
〔伊:cornetto〕 〔英:cornet〕 〔独:Kor-nett〕 〔仏:cornet a’pistons〕 |
解説 |
ポスト・ホルンから発達したトランペット属の金管楽器。音域はトランペットと同じで運動性に優れています。変ロ調の移調楽器で吹奏楽では常に用いられます。 |
音楽用語 |
コールユーブンゲン |
外国語表記 |
〔独:Chorubungen〕 |
解説 |
ドイツ語で「合唱練習」という意味。フランツ・ヴュルナーが作った3巻からなる『合唱のための教則本』を一般に指します。 |
音楽用語 |
根音 |
外国語表記 |
〔英:root, fundamental note〕 〔独:Grundton〕 〔仏:note fondamentale〕 〔伊:suono fon-damentale〕 |
解説 |
和音の基礎となる音。和音は根音の上に3度、5度の音を加えて三和音ができます。さらに7度の音を加えて四和音(7の和音)ができます。それぞれの音は第3 音、第5音、第7音などと呼ばれます。→ルート |
音楽用語 |
根音省略形 |
外国語表記 |
〔英:assumed root〕 |
解説 |
Ⅴ7、Ⅴ9の和音で根音を省いた形のこと。 |
音楽用語 |
コンガ |
外国語表記 |
〔西:conga〕 |
解説 |
キューバの打楽器。大きな木をくり抜いて一方に革を張った太鼓。通常は2個1組で使われ、それぞれに3本の足を取り付けたり、肩から吊るしたりして演奏します。→コンガ・ドラムズ |
音楽用語 |
ゴング |
外国語表記 |
〔英:gong〕 |
解説 |
容器状の楽器胴体をバチで叩いて鳴らす体鳴楽器の総称。ガムランで使われる同名の楽器が語源。タムタムとゴングの区別は明確ではありませんが、一般的には中央部に突起のあるジャワ系のものをゴングといいます。 |
音楽用語 |
コンコーネ |
外国語表記 |
〔伊:Concone〕 |
解説 |
イタリアのジュゼッペ・コンコーネ(1801~1861)による教則本。主に「発声と音楽的抑揚の表現」の学習に主眼を置いています。 |
音楽用語 |
コンサートマスター/コンサートミストレス |
外国語表記 |
〔英:concertmaster/concertmistress〕 |
解説 |
オーケストラでは第1ヴァイオリンの首席奏者で、楽団全体の指導的役割を果たします。また管弦楽曲のヴァイオリン独奏を受け持ち、時には指揮者の代理も務めます。男性の場合は「コンサートマスター」、女性の場合は「コンサートミストレス」と呼ばれます。 |
音楽用語 |
コンチェルト |
外国語表記 |
〔伊:concerto〕 |
解説 |
→協奏曲 |
音楽用語 |
コンチェルト・グロッソ |
外国語表記 |
〔伊:concerto grosso〕 |
解説 |
合奏協奏曲。バロック時代の協奏曲の最も重要な形式。独奏楽器群(コンチェルティーノ)とオーケストラ(リピエーノまたはトゥッティ)による対比を特色とします。コレッリ、ヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデルなどの作品が代表的。 |
音楽用語 |
コンデンス・スコア |
外国語表記 |
〔英:condensed score〕 |
解説 |
簡易スコア。曲の概要を示すために2~3段に要約して書かれたスコアのこと。簡易な指揮用楽譜として用いることもあり、書き方は一定していません。 |
音楽用語 |
コントラファゴット |
外国語表記 |
〔独:Kontrafagott〕 〔英:double bassoon〕 〔仏:contrebasson〕 〔伊:controfagotto〕 |
解説 |
ファゴットより1オクターヴ低いダブル・リード木管楽器。実音より1オクターヴ高く記譜されます。鋭い力を持っているので合奏の最低音楽器に使用されます。ラヴェル『左手のためのピアノ協奏曲』の冒頭部分が有名。 |
音楽用語 |
コントルダンス |
外国語表記 |
〔仏:contredanse〕 〔英:country dance〕 〔独:Contretanz, Kontretanz〕 〔伊:contraddanza〕 |
解説 |
17~18世紀に流行したイギリス起源の民族舞踊。ショパンに作品があります。 |
音楽用語 |
コントラバス |
外国語表記 |
〔独:Kontrabass〕 〔英:double bass、contrabass〕 〔仏:contrebasse〕 〔伊:contrabasso〕 |
解説 |
ヴァイオリン属の最低音域を受け持つ擦弦楽器。16世紀にガンバ属の最低音楽器であるヴィオローネから発達し、19世紀に入りヴィオローネにあったフレットが徐々になくなり、また弦の数も減り現在のコントラバスのような形状になりました。現在では4弦のものと5弦のものがあり、通常は4弦ですがオーケストラでは最低のハ音を出すために5弦の楽器が用いられることもあります。調弦は完全4度で、実音では1オクターヴ下が鳴り、実音より1オクターヴ高く記譜されます。弓はフランス式とドイツ式があります。 |
音楽用語 |
コンボ |
外国語表記 |
〔米:combo〕 |
解説 |
1930年代から盛んになった小編成のジャズ・バンド。人数、編成上の決まりは特にありません。small combina-tionから生まれた言葉。 |