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管楽器はどのようにして生まれたの?

「くだ」から始まった管楽器

 

管楽器の祖先を遡ると、オーストラリアの原住民が使用する、ディジュリドゥのような木の「くだ」であったと考えられています。

 

ディジュリドゥは木の中が空洞になっている楽器ですが、この木の「くだ」の用い方の違いで打楽器、木管楽器、金管楽器へと進展していきます。

 

つまり、木管楽器と金管楽器の違いは、発音の仕組みが異なるだけで、材質の違いではなかったのです。ここに最も古い管楽器のルーツの祖先があります。

 

ヨーロッパや中央アジアの狩猟民族である人々が、獲物の骨や角を楽器として用いていたのに対し、農耕や海洋民族の人々は、獲物の骨や角がないため身近な存在である木や貝を楽器にしていました。

 

日本人は農耕民族だったため、角や金属の管を震わせる金管楽器は発達しませんでしたが、木や貝を用いた笛が発展していくことになります。日本では発達しなかった金管楽器の原理で発音する例外では、法螺貝が存在します。

 

 

 

木管楽器の仲間のルーツ

 

世界各地には、くり抜いた木や骨などに口を添え、息を吹き込み発音させる笛の仲間が数多く存在します。

 

笛の仲間を大別した場合、リコーダーや尺八のように縦に構えるものと、横笛やフルートのように横に構えるものとに区分されます。

 

基本的な発音自体の仕組みは同じで、吹き込んだ息を用いて空気を振動させる原理です。この原理で奏でられる楽器音は爽やかで済んだ音になるのが特徴で、自然界の風の音に近く、鳥の鳴き声の模倣に用いられることが多いのも万国共通の特徴の一つです。

 

一方、フルートを除いた木管楽器は、植物の茎や葉を噛んで発音する草笛がルーツになりました。木管楽器のオーボエやファゴットなどのダブルリード楽器は、丸い茎を咥えて発音させたものが発展した楽器で、ダブルリードの楽器は哀愁を帯びたしっとりとした音色が特徴です。

 

ダブルリードの呼称は、一本の茎を噛んでいたのをその後、ニ枚のリードに分けて重ね合わせるようになったためです。

 

草笛から発展したもう一つの楽器に、クラリネットやサクソフォンなどのシングルリード楽器と呼ばれるものがありますが、こちらは一本の茎に切り込みを入れて発音させる仕組みから、マウスピースに一枚のリードを取り付けて発音させるものへと発展した楽器です。

 

原理的にはリードオルガンやハーモニカと同様で、音色的にはダブルリードの楽器音よりも、少し丸みを帯びて澄んでいるのが特徴です。

シングルリード楽器のリードがダブルリード楽器のリードに比べ、シンプルでメンテナンスも手軽だったため、19世紀の軍楽隊ではオーボエやファゴットなどのダブルリード楽器に代わり、シングルリード楽器のクラリネットが多用されました。

 

クラリネットは17世紀のバロック期に誕生しますが、当時はリコーダーにリードを装着したようなもので、指使いもリコーダーと同様でした。

 

しかし、クラリネットの持つ音域と音量はリコーダーと大きく異なる点で、高音域を吹く際リコーダーが1オクターヴ高くなるのに対し、クラリネットは1オクターヴ半高くなります。

 

1オクターヴでは両手の操作のみで対応は可能ですが、1オクターヴ半になると指が届かなくなるため遠隔操作のキーを必要とします。このような事からクラリネットは木管楽器の中で遅く登場したのかも知れません。

 

その他の木管楽器では、金属製ですが木管楽器に分類される、19世紀中頃に誕生したサクソフォンがあります。

 

サクソフォンが誕生した経緯は、コントラファゴットの軽量化の要望からだと言われ、当時の軍楽隊の最低音を担当していたコントラファゴットは木製で重たかった為、薄い金属製にする事での軽量化が求められました。

 

また、製作時間の短縮も求められ、ダブルリードからシンプルで扱い易いシングルリードを採用した楽器が数多く考案されました。

 

サクソフォンもその発展の中で誕生した楽器ですが、リコーダーと同様に複雑ではない指使いや、ソプラノからバスまで同じ指使いで吹けることなどが支持される要因だったと思われます。

 

 

 

金管楽器の仲間のルーツ

 

ホルンのルーツは、動物の角を吹く楽器として用いたところから発展し、ホルンという単語には「動物の角」という意味がありますので、ホルンと名の付く楽器は角から発展しています。

 

角のメガホン状の形状から放たれるホルンの音色は、遠くまで響き渡り柔らかい音がするのが特徴です。

 

ホルンの仲間にはフレンチホルンの他に、トランペット奏者の持ち替えで使用されるフリューゲルホルンがあります。また、木管楽器であるイングリッシュホルンなどもルーツとしてはこの仲間になります。

 

トランペットのルーツは、戦場の先頭に立って味方に指令を送る軍隊の合図で用いられるところから発展し、魂を鼓舞させる勇ましい音を特徴とする楽器です。

 

ヴァルブが開発され楽器としての発展を遂げると、金管楽器の中心的な存在となり、自由に音階を奏でられることから、メロディを担当する楽器として活躍するようになります。

 

トロンボーンのルーツは、15世紀以前から存在し金管楽器として歴史が古く、管を伸縮させて自由に音程を変えられる仕組みは当時から変わりありません。

 

音程を自由に操れることから、教会での合唱の際に用いられるようになり、ソプラノからバスまで様々なサイズのトロンボーンが製作されましたが、現代ではテノールとバスがメインで用いられています。

 

発音の仕組みはトランペットと同様ですが、トロンボーンはスライド操作によって音程の微差を調節できるため、吹く際の音量によっても様々な音が発せられます。

 

チューバのルーツは、産業革命でのヴァルブ装置の発明が深く関わり、木管楽器に分類されるサクソフォンと同じ19世紀初期に誕生しました。

 

チューバが生み出される背景にはサクソフォンと同様に、軍楽隊が行進時に使用することを前提に開発され、軽量で尚且つ音の大きさに富む低音楽器という要望がありました。

 

それまでのコントラバスやコントラファゴットでは、持ち運びが不便な上に、大きさの割には音量が乏しいという欠点があった為、それを改善するために薄い金属で作られたメガホン状のチューバが誕生します。さらに行進時に扱い易いよう改良されたスーザフォンへと進展していきます。

 

ユーフォニアムのルーツは、チューバと同様の時代背景で登場する楽器となりますが、その歴史は複雑なものです。

 

ユーフォニアムという単語には「良い響き」という意味がありますので、元々は単体の楽器を示すものではなく、複数の良い響きに相当する楽器に対して用いられていました。

 

その中の一つに、ドイツで発明された小型のチューバも含まれていました。その後ユーフォニアムの呼称は、イギリスの金管バンドで用いられる楽器群の一つに対して使われるようになり、現代に至っています。

 

サクソフォンの発明者である、アドルフ・サックスがユーフォニアムを発明したとされる事もありますが、現代で使用されているユーフォニアムは、実際にはイギリスの金管バンドで用いられていた楽器群の一つに過ぎないのです。

  







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