ユーフォニアムのメカニズム

ユーフォニアム本体

ユーフォニアムとバリトンはどう違うの?

ユーフォニアムのことをバリトンと呼ぶことがありますが、これはこの楽器が流入する経緯に関係するもので、過去の楽譜にも様々な楽器名が記されていることがあります。

現代一般的に使用されているユーフォニアムは、イギリスの金管バンドで用いられていた楽器で、20世紀中頃から日本の吹奏楽でも使用されるようになった楽器です。

その以前に主に用いられていたのが、外観がよく似ているアメリカ型のバリトンで、その名残りからバリトンと呼ぶ人がいるのです。

混乱に拍車がかかった背景には、アメリカ型のバリトンやドイツのロータリー式のバリトンも、ユーフォニアムと謳われていることや、イギリスの金管バンドで使われているバリトンホーンという細い楽器が、バリトンとは別にあることでさらに混乱を招きました。

しかし、実際にはどの楽器が正解というわけではないので、惑わされずにその楽器の持つキャラクターを理解し、自身の音楽スタイルに合った楽器を選べばいいのです。

豊かで温かい音色を備えるイギリス型のユーフォニアムと、明るくはっきりとした音色を備えるバリトンやバリトンホーンを使い分けてみるのもいいでしょう。

コンペセイティングシステムとは?

ユーフォニアムの上位モデルには、「コンペセイティングシステム」または「補正ピッチシステム」と呼ばれる機能が搭載されているモデルがあります。

4本ヴァルブを装備するユーフォニアムのコンペセイティングシステムは、ダブルホルンと同じように、第4ヴァルブを押すと低いF管になるシステムです。

コンペセイティングシステムが搭載されていない4本ヴァルブのユーフォニアムも、第4ヴァルブを押すことによりF管の長さにはなりますが、その他のピストンを押したときにはB♭管用の迂回管を通ることになるので、本来のF管の音程よりも高くなってしまいます。

そこでF管にした際に管を再度各ピストンに通して、不足する分を補正するのがこのコンペセイティングシステムの機能で、第4ヴァルブを押したときの音程を修正してくれる役割があります。

但し、コンペセイティングシステム搭載モデルは、その分重量が重くなることで演奏した時の抵抗感が増しますので、ユーフォニアムを選択する際は、自身がどの程度F管の低音域を使用するかを考慮した上で選ぶといいでしょう。

  • コンペセイティングシステム

第4ヴァルブの配置はどちらのタイプがいいの?

4本ヴァルブを備えるユーフォニアムには、トップアクション(第4ヴァルブを右手の小指で操作)タイプと、サイドアクション(左手の人差し指で操作)タイプがあります。

コンペセイティングシステム搭載モデルは、サイドアクションタイプに属しますが、コンペセイティングシステムを搭載していないモデルは両タイプがありますので、どちらが自分に合っているかを考慮した上で選択する必要があります。

トップアクションタイプは、4つのピストンが水平方向に並んでいて、ピストン操作に右手のみを使う並列式のタイプです。

サイドアクションタイプは、第4ヴァルブがサイドに付いていて、小指を使用しないので早い楽曲にも向いていて、独立しているため慣れればこちらのタイプの方が操作しやすいかも知れません。

ただし、正しい構え方をしていることが前提になりますので、フォームが乱れていると左手が押さえにくいなどの問題も出てきますので気を付けるようにしましょう。両タイプを試奏してみて、自分に適した操作のタイプのものを選ぶといいでしょう。

ロータリー式バリトン

ドイツやチェコなどでは、ユーフォニアムに相当する楽器として、ロータリー式のバリトンが用いられています。

ユーフォニアムと管の長さや音域は同じですが、イギリス型の楽器とは全く異なる歴史を持っていて、音色の個性も異なります。

ドイツなどで用いられるバリトンは、管の厚さがイギリス型よりも薄く、トロンボーンやチューバと同質の明るい音色を備えているのが特徴で、オーケストラでも度々利用されます。

また、同じ形状でテノールホルンというさらに管が細い楽器もあり、ドイツの吹奏楽団ではバリトンがチューバのオクターヴ上を担当し、テノールホルンが高音域で対旋律を演奏するという使い分けがされています。

このテノールホルンとよく勘違いされるパターンに、イギリスの金管バンドで、E♭管のアルトホルンのことを呼んでいる「テナーホーン」と間違われることがありますが、違う楽器になりますので注意するようにしましょう。

仲間の楽器~バリトンホーン~

イギリスの金管バンドでは、バリトンホーンという細身の楽器がユーフォニアムと一緒に使用されています。

このバリトンホーンは管が細く小型の楽器で、ユーフォニアムと同じB♭管ですが、ユーフォニアムとは異なるパートを担当しています。

ロータリー式バリトン、バリトンホーン、以前に吹奏楽で使われていたバリトンは、全て異なる楽器になりますので、混乱しないように気を付けるようにしましょう。

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