教会旋法

中世の教会音楽においては、教会旋法(チャーチ・モード)と呼ばれる音階があります。
全音階上のそれぞれの音を主音とする7つの旋法があります。

教会旋法

中世の教会音楽で歌われていたグレゴリア聖歌は、教会旋法を用いて作られています。旋法とは音階を形成する一定の音組織のことで、音階とは音を高さの順に階段的に配列したものです。

教会旋法にはドから始まるイオニアン、レから始まるドリアン、ミから始まるフリジアン、ファから始まるリディアン、ソから始まるミクソリディアン、ラから始まるエオリアン、シから始まるロクリアンの7つの旋法があります。

このうちのイオニアンとエオリアンが発展し、現代ではイオニアンが長音階、エオリアンが自然短音階に相当しています。

それ以外の5つの教会旋法の音階は、その後に用いられることが少なくなりましたが、アメリカ合衆国のジャズトランペット奏者、マイルス・デイビスが1958年に発表した「マイルストーンズ」で教会旋法が復活し、マイルス・デイビスは教会旋法を用いてジャズに革新をもたらしました。

メロディにエキゾチックな雰囲気を出すために、教会旋法を用いた例もいくつかあり、太古や中世など異世界をイメージさせる落ち着きのあるドリアン旋法では、イングランド民謡「グリーンスリーブス」や、サイモンとガーファンクルの「スカバロー・フェア」などで用いられ、古めかしい世界感があり、なつかしく物悲しい雰囲気を醸し出しています。

教会旋法

イオニアン

ドリアン

フリジアン

リディアン

ミクソリディアン

エオリアン

ロクリアン

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