情報理論を用いた音楽

メロディは先の読める展開や意外性のある展開もあり、メロディはピッチの推移の連続です。
その展開は確率を使って表現でき、情報理論を使って解析できます。

ピッチ変化の確率エントロピー

ダイアトニックスケールには、1オクターヴ内に7つの音があります。メジャースケールの楽曲でメロディの最初の音が「ド」としたとき、オクターヴの違いは無視して各音へは同じ確率で推移すると仮定した場合、次にどのメロディに推移するかの確率は1/8と考えることができます。これに休符である場合も加えます。

実際のメロディでは、調性により「ド」の後に続きやすい音もあれば、使用される頻度が少ない音もあり、また音楽のジャンルや制作者によっても次の音の出現確率には癖があるものです。

「ド」の後に続く音に「ソ」を頻繁に使用する制作者であれば、「ド」が現われた場合には次の音は「ソ」だと簡単に予測ができ、逆に何の音に推移するのか全く検討がつかない制作者では、予測が当たる率は1/8となります。

実際の音楽ではある程度のピッチ変化の予測は可能ですが、なかには予想が当たらない程度のピッチ推移で曲が展開されることもあり、ピッチ推移が予想通りすぎると退屈の要因となり、逆に全く予想が当たらないと理解に苦しむ音楽になってしまいます。

このようなピッチの予測に、今後起こる事象の不確かさを定量的に測る量をエントロピーといい、エントロピーは次の式で表現されます。

Piはi番目に分類された事象が起こる確率で、kは起こりうる事象の数を示します。次の音に推移する確率が各々1/8の場合はエントロピーは3ビットになります。

3ビットのエントロピーとは、推移の可能性が8つの場合の最大値となり、「ド」の後に続く音が「ソ」の音に限定される場合は、エントロピーは0ビットになります。

推移の可能性が8の場合、エントロピーは0ビットと3ビットの間の値を取ることになり、メジャー・マイナースケール等の音階に従った楽曲の場合は、調性感のない楽曲に比べてエントロピーは低くなります。

次の式は冗長度を示すものです。

冗長度が高い値の場合は、メロディの展開が容易に推測でき退屈しやすい状況を示し、冗長度が低い値の場合は、メロディの展開が読みづらく混乱してしまう状況となります。

音楽の好みと音楽の複雑さを表す逆U字曲線のピークは、程よい音楽の複雑さであるので、情報理論的には程良い冗長度の状態といえます。

エントロピー

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