旋律線

旋律を構成する一つ一つの音の高さが順次変化していく際の、ピッチの変化パターンによって特徴づけられる情報側面を旋律線と呼びます。

旋律線パターンによる体制化

隣接する音のピッチの上下を結んでいくことによって、旋律線と呼ばれるピッチの変化パターンを表現することができます。

最も単純な旋律線は、ピッチの「上昇・同音・下降」の3通りのみで表現され、より繊細に旋律線を表現するときには、5半音上昇、3半音下降など変化する音程の情報を加えることもできます。

同じフレーズのピッチパターンの繰り返しは、旋律線パターンの繰り返しとして体制化され、同じフレーズで少し音列を入れ替えた場合でも、上下の動きの旋律線が保たれると、旋律線パターンのまとまりを感じることができます。

旋律線によるメロディの認識は、このような繰り返しの認識だけではなく、楽曲の重要な要素である主題(テーマ)動機(モチーフ)の認識にも重要です。

変奏曲や転調は、一つの断片的な旋律線である動機(モティーフ)や主題(テーマ)を、テンポ・リズム・音色・和声等を変えたものですが、旋律線の形状がそれぞれの旋律らしさを決める骨格的特徴となっているため、楽曲の途中で曲調が変わった場合でも、私たちはその旋律線の形状の認識からその楽曲の旋律らしさを認識することができます。

ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』」冒頭に登場するインパクトのあるフレーズは、楽曲を通して幾度となく繰り返されますが、楽曲のインパクトを植え付けるための強烈な動機付けとなっています。

ベートーヴェン 交響曲第5番『運命』第1楽章冒頭部

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