協和と不協和の感覚

協和不協和という感覚は、時代や個人によって変わるものです。
協和、不協和を左右するのは、音と音の干渉の度合いが関係しています。

協和と不協和は音と音の干渉

協和と不協和の感覚は、その時代や個人によって異なるものですが、感じる感覚の発生源は聴覚機能に基づくものです。聴覚フィルタ内にある複数の周波数成分が、干渉することによって協和感が低下し、不協和という感覚を感じてしまいます。

人間の聴覚には、複数の音が流れてきた際に協和感を感じるメカニズムを備えていますが、その仕組みは20世紀後半に入り解明されたものです。

協和、不協和を左右するのは音と音の干渉の度合いで、周波数の少し異なる2つの純音が同時に発せられるとき、音が大きくなったり小さくなったりする「うなり」という現象が起きます。

うなりは2つの音が干渉する事によって生じ、同じ周波数の2つの純音の場合では、同時に鳴っても干渉することはありません。また、2つの周波数の幅が離れ過ぎていても、2つの音が干渉することはありません。

このように、不協和の感覚は複数の音が干渉する時に生じる感覚で、複数の音が干渉しなければ協和した感覚が得られることがわかります。

音の干渉と聴覚フィルタ

人間の聴覚には、聴覚フィルタと呼ばれるフィルタをたくさん並べたような機能があり、この聴覚フィルタが音同士の干渉を決めています。

聴覚フィルタには周波数幅(臨界帯域幅)というものがあり、その周波数幅の中に複数の音が含まれていれば干渉して「うなり」が生じます。

この聴覚フィルタでの音同士の干渉が不協和を感じさせる要因となり、不協和を感じる度合いは音同士の周波数間隔によって異なります。

2純音の協和感と2純音の周波数差の関係

上図は2つの純音を同時に聞いた際の協和感を、2つの純音の周波数差を関数として表したものとなります。横軸は2音の周波数差を聴覚フィルタの幅との比に変換して表し、縦軸は協和感の高低を表しています。

2つの純音の周波数差がない場合には、協和感は最大値を示していますが、差が開くにつれ下降を示し、周波数差が聴覚フィルタ幅の1/4(0.25)に一致した時に最も不協和な感覚となります。

その後は周波数差が開くにつれ協和感は上昇を示し、2つの純音の周波数が聴覚フィルタの幅を超えると、協和感は周波数差がない場合と同じレベルになります。

このように純音同士では協和感との関係を示すことはできますが、純音ではなく和声上の完全五度やオクターヴなどの協和音は示すことができません。このような和音の協和音には倍音による干渉があるためです。

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