和音の機能 【楽典】ピアノ/ギター入門 初心者向け音楽 音符・楽譜の読み方
和音がその調の中で持つ役割を機能といい、「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」3つの役割があります。
実際の曲における和音の進行パターンは大きく3つに分けられ、T(トニック)・D(ドミナント)・S(サブドミナント)の3種類に分類されます。
和音の機能 [英:function of chord]
T | トニック | Ⅰ・Ⅵ・(Ⅲ) | 主音度機能 | 和音進行の中心的な役割を担い、安定感のある響きが特徴です。 |
---|---|---|---|---|
D | ドミナント | Ⅴ7・Ⅴ・Ⅶ・(Ⅲ) | 属音度機能 | T(トニック)に進もうとする強い性質を持ちます。 |
S | サブドミナント | Ⅳ・Ⅱ | 下属音度機能 | 直接または間接的にT(トニック)に向かう役割を持ちます。 |
①トニックの機能
主格的な機能で、その調を代表する役割を持ち安定感があるので、曲の始まりや終わりに用いられます。
主音上に作られる「Ⅰ」がこの機能を持ち、「Ⅰ」に含まれる二つの音を持つ「Ⅵ」や「Ⅲ」もこの分類に属します。
②ドミナントの機能
支配的な機能で、トニック(主音)への進行度が強く終止への欲求が高まります。
属音上に作られた「Ⅴ」がこの機能を持ち、同じく「Ⅶ」や「Ⅲ」もこの分類に属します。
「七の和音」では、「V7」がさらにトニックへの進行度を強める機能を持ちます。
③サブドミナントの機能
トニックとドミナントの合間の機能で、サブドミナントとはドミナントを準備するという意味で、ドミナントの前に置かれて曲の終止を用意し、開放感や情緒をもたらす役割があります。
「Ⅳ」が代表であり、「Ⅱ」もこの分類に属します。
また「Ⅲ」は、トニックにもドミナントにも変化する性質を持つため、曖昧な和音とされ19世紀半ばまでは使用が控えられていました。
「Ⅶ」は独立した和音という見方より、「V7」の根音が省略されたものと見なされます。
「七の和音」については、その基となる三和音の機能に準ずるものとなります。
和音機能の進行パターン例
主な3つの進行パターン
①TーDーT(安定) ②TーSーT(少し不安定) ③TーSーDーT(充実)