移調楽器 【楽典】ピアノ/クラシック入門 初心者向け音楽 音符・楽譜の読み方
移調楽器は、楽譜に記譜された音(記音)と実際に出る音(実音)とが異なる楽器のことで、管楽器の管の長さによる調が関連し、オーケストラの中ではクラリネットとホルンがあたります。
移調楽器の読み方 [英:transposing instrument]
オーケストラのスコアに慣れるために、ハ音記号ともう一つ移調楽器を理解する必要があります。
移調楽器とは、楽譜に記譜された音(記音)と実際に出る音(実音)とが異なる楽器のことで、管楽器の管の長さによる調が関連し、オーケストラの中ではクラリネットとホルンがあたります。
管楽器はその管の長さにより音質が異なり、最も良い音がする管により調が決められており、転調する度に調にあった別の長さの管に持ち替えられ演奏することになっていました。
その調の音階は常に決まった指使いで、そして読み易いようにハ長調で記譜する習慣があります。
現代に至りクラリネットの場合は、良い音のする管としてB♭管とA管が残ることになり、B♭管でB♭の音を吹く際と、A管でAの音を吹く際はどちらもCの指使いを行えるように、B♭管は実音より長2度(B♭ーCの音程)、A管は実音より短3度(AーCの音程)高く記譜します。
ホルンも同様に管の長さが異なる調の管がありましたが、F管が最もホルンらしい響きとなり最終的にF管が残り、FーC間は完全5度ですので実音の完全5度上が記音となります。
実音通りの音が出ないクラリネットとホルンだけを読み換えることは手間がかかりますので、実用性を重視する作曲家や、20世紀後半の「現代音楽」の中には、読み誤りを避けるためにすべて実音で記譜することもあります。
吹奏楽ではオーケストラ以上に移調楽器が多く、クラリネット、サクソフォーン、トランペット(B♭管)、コルネット、ホルンといった移調パートが多いので、一度に鳴る音を一目でわかるように配慮された楽譜が下部に付いていることがあり、このような楽譜をコンデンス・スコアといいます。
B♭管の実音と記音
F管の実音と記音