はじめに:あなたの好きなあの曲も、きっとカノン進行
「カノン進行はヒット曲の宝庫」と言われますが、実際にどのような曲で使われているのでしょうか? 第3回では、時代やジャンルを超えて愛されるカノン進行を使った有名曲・名曲を、具体的な曲名を挙げて一挙にご紹介します。
懐かしいあの曲から最新のヒットソング、心に響くアニソンや洋楽まで、カノン進行の魔法がどのように活かされているのかを聴き比べてみましょう。きっと、「この曲もそうだったのか!」という発見があるはずです。
※多くの曲は、カノン進行を部分的に使用したり、少しアレンジを加えたりしています。ここでは、カノン進行が曲の核となっている、あるいは象徴的に使われている楽曲を中心に選びました。
【J-POP編】時代を彩ってきた王道のメロディー
日本の音楽シーンにおいて、カノン進行はまさに「王道」であり「定番」。特に、多くの人の心を掴む応援ソングやラブソングで多用されてきました。
- KAN『愛は勝つ』(1990) イントロから高らかに鳴り響くピアノが、まさしくカノン進行。日本中に勇気を与えた、90年代を代表する応援ソングです。
- ZARD『負けないで』(1993) こちらも国民的応援ソング。サビの「負けないで もう少し〜」の部分が、力強いカノン進行に乗って心にストレートに響きます。
- 岡本真夜『TOMORROW』(1995) 落ち込んだ時に聴きたくなる、ポジティブな歌詞が魅力。カノン進行の持つ明るさや希望に満ちた響きが最大限に活かされています。
- SPEED『my graduation』(1998) 卒業ソングの定番。希望と切なさが入り混じる歌詞と、カノン進行の持つどこか懐かしく切ない響きが完璧にマッチしています。
- I WiSH『明日への扉』(2003) 川嶋あいの透き通る歌声が印象的なラブソング。カノン進行のロマンティックな側面が光ります。
- レミオロメン『3月9日』(2004) 今や卒業式の定番となった名曲。ピアノの伴奏が美しいカノン進行を奏で、感動的な雰囲気を演出します。
- いきものがかり『ありがとう』(2010) 感謝の気持ちを伝える温かい歌詞が、カノン進行の持つ優しく包み込むような響きと調和しています。
- AKB48『恋するフォーチュンクッキー』(2013) ディスコ調のアレンジが楽しいこの曲も、サビでカノン進行が効果的に使われています。親しみやすさの秘密はここにあるのかもしれません。
- あいみょん『マリーゴールド』(2018) サビの部分がカノン進行。どこか懐メロのような雰囲気と新しさが同居する、現代のカノン進行の名曲です。
- Official髭男dism『Pretender』(2019) サビでカノン進行を少しアレンジした「王道進行」が使われています。切ないメロディーをドラマティックに盛り上げます。
【アニソン・ボカロ編】物語を熱く、切なく彩る
アニメの世界観やキャラクターの心情を表現するのにも、カノン進行は大きな力を発揮します。
- 『CHA-LA HEAD-CHA-LA』(ドラゴンボールZ) イントロからAメロにかけてカノン進行が使われており、冒険の始まりのワクワク感を高めています。
- 『君の知らない物語』(supercell / 化物語) 疾走感あふれるサウンドに乗せた切ない歌詞とメロディー。サビで使われるカノン進行が、夏の夜空を駆け抜けるような情景を思い起こさせます。
- 『千本桜』(黒うさP feat. 初音ミク) 和風ロックとカノン進行の融合。疾走感あふれるピアノのメロディーが非常に印象的で、ボカロ曲の歴史に残る一曲です。
- 『紅蓮華』(LiSA / 鬼滅の刃) Aメロでカノン進行が使われています。静かなパートからサビの爆発的なエネルギーへと繋ぐ、重要な役割を担っています。
【洋楽編】世界中で愛される普遍の響き
もちろん、カノン進行は海外でも大人気。様々なアレンジで名曲の中に溶け込んでいます。
- Vitamin C『Graduation (Friends Forever)』(2000) アメリカの卒業ソングの定番。『パッヘルベルのカノン』のメロディーを大胆にサンプリングし、世界中にカノン進行の魅力を再認識させました。
- Green Day『Basket Case』(1994) パンク・ロックのこの名曲も、実はカノン進行をアレンジしたコード進行がベースになっています。疾走感と焦燥感が原曲とは全く違う表情を見せています。
- Aerosmith『Cryin’』(1993) 壮大なロックバラード。カノン進行の持つ感動的な響きを、パワフルなバンドサウンドで表現しています。
- Jason Mraz『I’m Yours』(2008) アコースティックギターの心地よいサウンドが魅力。カノン進行(ここでは「王道進行」に近い)が、リラックスしたハッピーな雰囲気を作り出しています。
【クラシック・その他】すべての源流
- ヨハン・パッヘルベル『カノン』 全ての始まり。この曲がなければ、これほど多くの名曲は生まれなかったかもしれません。ぜひ一度、原曲の荘厳な美しさに触れてみてください。
- 『きらきら星』 フランスの民謡が原曲。実はこの曲も、 simplified されたカノン進行(I-V-vi-IVなど)と捉えることができます。単純ながらも美しい、まさに音楽の原点です。
まとめ:カノン進行を探す楽しみ
いかがでしたか? あなたのお気に入りの曲はありましたか?
今回紹介した曲以外にも、カノン進行が使われている曲は無数に存在します。次に音楽を聴くときは、「これもカノン進行かな?」と探してみてください。コード進行に耳を澄ませてみると、音楽の新しい楽しみ方が見つかるはずです。














