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音楽能力は障害を免れるケースが多い

 

アルツハイマー病の明確な原因と治療法は解明されていませんが、音楽のアルツハイマー病への応用があります。

 

 

 

音楽の医療への応用

 

患者に共通の現象としてステロイドホルモン、特にテストステロンとエストラジオールが低下することが知られています。

 

これらのホルモンは、細胞レベルの働きの他にも気分や感情に大きな影響を与えます。

 

アルツハイマー病は、記憶や認識など高次の脳機能が障害を受けますが、不思議なことに音楽能力は障害を免れるケースが多いのです。

 

例えば、言語に障害を受けたとしても歌は歌えたという報告や、記憶能力が失われても、ピアノが弾けたという場合があります。また、痴呆症になっても音楽能力は維持されることが多いのです。

 

これにはステロイドホルモンの働きによるものが考えられ、ステロイドホルモンには神経細胞を作り、保護・修復する作用があります。

 

音楽によるステロイドホルモン分泌促進や抑制によって、ホルモンを適正な値に調節することができます。その結果、 細胞の死滅や障害を緩和すると考えられます。

 

アルツハイマー病患者を対象に、ホルモンを指標として音楽療法の効果を調べた結果、音楽がアルツハイマーの症状を改善したり、予防したりする可能性があることが報告されています。

 

被験者に①音楽のみ聴かせる②療法士の話のみ聴かせる③通常の音楽療法(音楽+療法士の話)の3つのセッションを行い効果を比べた結果、③の通常の音楽療法を実施した際に、エストラジオールとテストステロンの値が最も増加しました。対して他のセッションでは科学的に意味のある変化は見受けられませんでした。

アルツハイマー病のみならず、一般的にこれらのホルモンは年齢と共に低下しますが、そのことが鬱(うつ)や不安、物忘れなどいわゆるボケ症状の原因になる可能性が指摘されています。

 

そのためアメリカを中心に、ホルモン剤の服用による「ホルモン置換療法」が行われたりしましたが、この治療法には心疾患など副作用の問題が常に存在しました。

 

効果的な治療法がないだけに、先述した実験での予防効果の可能性が、薬物療法に代わる代替医療の音楽療法として期待が広がります。

 

これまでの見解から音楽はストレス性疾患に効果を発揮することがわかりましたが、ただ実際に音楽を使って治療する場合、一番の問題点となるのがどのような音楽を用いたら良いかということです。

 

この点に関しては明確な解明に至っていませんが、これまでの研究結果を総合すると、患者の好きな音楽が最も効果的だということで、少なくとも嫌いな音楽はストレッサーになる可能性が大きいので避けるべきです。

 

音楽の医療への応用範囲はさらに広がることが予想され、特にストレス性疾患、精神疾患は現代医療でも有効な治療法がないものが多いので、音楽が一定の症状の改善や治癒をもたらしていることの意義は大きく、今後の進展次第では代替医療以上の存在になる可能性も秘めているのです。

  




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