倍音数による協和音の変化 【音楽の勉強・基礎知識/音楽用語・歴史】
倍音数によって協和感が異なり、1つの成分しか含まない純音同士の場合、2音の周波数差で協和感が決まります。
特定の周波数差で協和感が上昇する協和音程は存在しない。
倍音数による協和音の変化
協和音程、不協和音程の発生源は、聴覚フィルタの機能によるものです。
2つの音の基本音の周波数差がその音同士の協和感を決めますが、倍音の含まれる度合いによって協和感が異なり、1つの成分しか含まない純音同士の場合は、2音の周波数差で協和感が決まり、ある特定の周波数差で協和感が上昇する協和音程は存在しない。
第2倍音を含む音同士になると、オクターヴでの協和感の上昇が見られます。
完全5度で協和感が上昇するのは3倍音以上が含まれる場合で、完全4度では4倍音以上、長3度や長6度では5倍音以上といったように、含まれる倍音数の違いによって異なる協和音程となり協和感が上昇します。
何れも純正律で考えた場合の協和音程となりますが、平均律での協和音程は単純な周波数にはなりません。
平均律の協和音の協和感は、純正律での協和感に比べて若干下がることになりますが、その低下量はごく僅かで実際の演奏では差ほど変わらない程度のレベルです。
平均律が用いられている現代で、この僅かな協和感の差にこだわり、純正律を用いている音楽家もいます。
2音の音程と協和感の関係